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信念の彼岸


※この物語は、「荘子」に書かれているようなフィクションでありでっち上げです。
実在の人物、団体、出来事には関わりはございません。本当に!

 

 現代の日本の地に、論語や老荘、東洋の歴史などが好きな娘がいた。
彼女は、慈悲!義!愛!是正!などとうるさいため、義ー義ーうるさいだの、直江兼続だの、
里見八犬伝のパクリなどと罵られていた。

 ある土曜日、彼女は週に一回の集いで、遠方から来た朋友に会いに行く。亦説バシカラズヤ。

 ちなみに、集いとは絵を楽しく書いて、画力を互いを高めあう会のことであった。
その会を開く教室には、小学生や中学生に高校生などの学生以外にも、成人など年齢を問わず、絵を志す者がいた。
彼らは学を志すように芸術を学び、絵を描き、それを持って友と交わり、その友と人格を切磋琢磨した。

 さて、


 「私には、貫くべきものがある。」
平家の落ち武者を先祖に持つ、娘の目の前の男は呆れていた。

 (そんなもので、絵の力強さは反映されないだろうに。)

 絵とは個性だ。しかし、性格や気質もそれに含まれるが、それ以上に影響されるものがあると、
彼女は言っている。

 「それは志と信念。如何なるモノに屈しないほど、それは輝くんよ。」

 (こいつはキチガイだ。気が狂っている。)

 現代という時代に、そんなお堅い考えを持つ人間は完全に絶滅している。
現代人である男は、キリスト教徒が異端の宗教を見るような眼で彼女を見た。

 「『信念は、山をも動かす。』と聖書には書いてある。だが、貴方にはそれを感じられない。そんなことでは
なりたいものには一生なれない。疑いという巨象に芥子粒のような信念を踏みつぶされるだけだ。」
 「何様の女だ。いい加減無視してくれ。」

 彼女には、同じことを何度も言われている。そのたびにキチガイの戯言だと軽くあしらった。

 「・・・・・じゃあ、それは君にとって大事なものなのかい?」
 「イエス。」
 

 ‐‐‐‐‐前振りが長くなった。これは、集いの教室の近くに住む漫画家志望の青年との会話だ。
決して本題ではない。ただいつか人に見せるべきだと思って書いた。

 本題はこれからだ。


 「○○ちゃんと話していると、なんとなく楽しいよ。」

遠方から来た朋友は、娘の本名を口にしながら娘に話しかけた。

 「そんなこと言ってくれたら、こっちだってうれしいです。」
 「ありがと、○○ちゃん。」

 朋友は、娘より年上で絵がものすごくうまかった。智慧もあった。
その朋友がかけがえのない友であることを神に感謝するほど、娘は朋友を大事に思った。
でも、この友情を中国古典でたとえてみたら、管仲が鮑叔牙を親友として認めるというより、
荘周が恵子を己の哲学の切磋琢磨の相手として認識してたくらいかもしれない。




 「ところでさ・・・・・・・・。友人さん。さっき、○○くんと話をしていたんだけれど。」
 「なにかな。」
 「人の未来、人生、運命を決めるのは自分なりの義や志だと思うんだ。」
 「・・・・・・・・・・・・絵の話じゃないのね。」
 「んや。かなり関わりあるよ。だって私は、あの成人男性に志が足りないって言ってやったから。
  ――あんたは意志薄弱だって。」
 「それと何の関係が?」
 「あいつはご存知の通り、漫画家になりたいんだ。でも、今も漫画賞に落選し続けている。」
 「・・・・・・で?」
 「個性や才能などを輝かせるのも志と義。それだけのことだよ。」
 「はぁ・・・・・・・・。さっきから義。そればっかり・・・・・・。」
 「本当に大事だから言ってるだけなのに、ため息つかないでよ。」


朋友曰く、○○ちゃんはわけのわからないことばかりいうから。

娘曰く、親もいつもそればっかりいうよ。まあ、あきらめることだね。

 「ところでさ・・・・・・・○○ちゃん、義とか志って一体なんなの?」
朋友は初歩的なことを訊いてきた。 

 「まず、一言言わせていただくよ。これは私だけの意見や。聞き流しても構わないよ。
他の人間やパターンに合うとは限らないから。」
 「前振りいらないから。」
 「ごめん。じゃあ本題。始めに『義』とは、宗教・・・・・いや人によって定義が変わる。
儒教的な義もあるし、キリスト教的な義もある。
『正しい義こそ至高』というものもいれば、『愛こそが義だ。』というものもいる。まあ、私の場合は
慈悲と王道としての義だね。」
 「ふぅーん。」
 「次は『志』。『何かを成し遂げようとする思い』とも言うし、ただ単に『野心とか野望』とも言う。」
 「へぇー。」
 「これらがないと人間は大成しないんだ。」
 「・・・・・でさ、周りに合せないといけないときあるでしょ。その時は・・・・・・」
 「『内直クシテ、外ヲ曲ガル。』これも自分の義を守り通すためには、大事。」
 「? どういうこと?」
 「自分の心の中でまっすぐ義を貫くけど、外様の義に対しては譲歩するということ。」
 「受け入れるということ?」
 「そう。あと、『内ノ直ナルモノハ天ノ徒タリ。(心のまっすぐな人は天の友である。)』
『外ノ曲ナルモノハ人ト之徒ナルタリ。(他人に合せる人はさまざまな人と友になれる)』
[著注・この三つはいずれも荘子から。]‐‐‐‐‐この三つは三位一体である。」
 「難しいなー。」
 「理解しなくていい。この世の戦いは正義VS正義の戦いだ。戦って勝とうとしている。外に対して
曲がらないからそうなる。そして、へりくだることをしらないから・・・・・・・」
 「話がそれてる。それてる。」
 「まあ、訂正。義はそれぞれでいいんだよ。百花繚乱で多様性に富めば尚良い。
独創的でも構わない。例えるなら、花園にはたくさんの花の種類が必要だし、
それぞれの思想は輝くように咲き誇れば諸子百家や三国志にも劣らなくなる。
気に食わないからといって、引き抜いたり枯れ葉薬をまいてはならない。Only oneの義を尊重すべきだ。」
 「・・・・・・貴方にはそんな考えがあるのねー。」
 「まあね。」
 

朋友は絵を描き始めた。とてもラフとは思えないほどに深みがある。
それは、鉛筆の線だけで書かれた見事なイラスト――――――将に芸術だ。


 「――――――それが、我が朋友の、つまり貴方の義だ。人それぞれが、貫き通したいもの譲れないものを、義という。
貴方の絵にはそういう力強さがある。『これが私ですよ。』と宣言するような。」
 「そこまで大げさに言わなくても・・・・・いいんじゃない?」
 「まあまあ・・・。少しぐらい、詩的表現が在ったほうがいいよ。と私は思うよ。」
 「君は詩的すぎるよー。」
「別にいいじゃん。私は夢を見ていたいんだ。それに現実には失望したからね。」


 そう言いつつも、娘はこう話ができる朋友がいることを、神に感謝した。

 
 この地球上の誰よりも深く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。








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テーマ : 小説
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Author:主宮 ジア
『1980年代以降に生まれた改良型新世代』に属する狭義のスターチルドレン。地球社会にいまだになじめない。2012年冬至早く来い!

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